ぽっちゃり幼なじみはオオカミくんでした。
友達(2)
「ちょっとこっち来て。」
放課後下駄箱に向かう私の手を強引に掴んで引っ張り前を歩く誰か
その後ろ姿に見覚えがある。
「……絵里?」
「だったら何?いいから黙ってついてきて。」
な、なんか怖い。怒ってる?
体育館の後ろに着くと勢いよく私の手を振りほどきぱっと振り返る。
その目は泣き腫らしたみたいに目が真っ赤になってる。
もしかして、響くんとなんかあったのかな
「どうしたの?絵里」
「うざいんだよ、お前のそのとぼけた顔!」
「…なんでそんなに怒ってるの、私何かした?」
「振られたの私。だから亜実に怒ってんの!」
「理由になってないよ…それ」
「どう見ても亜実なんかより私の方が断然可愛いし女子力だってあるし、
それなのになんで私じゃなくてあんたなの!?」
何があったのか理由はよくわからないけど怒った絵里は私に掴みかかってきた。