ぽっちゃり幼なじみはオオカミくんでした。
「タバコ吸うなら外で吸えよ。部屋中くせぇから」
「もう吸わねぇよ。気になるんだったら消臭スプレーでもたんまりかけとけ」
テレビの前のソファにどんと腰掛けて呑気な口調で言う。
「あ、そうそう大和っち怒ってんの聞こえちゃったんだけどお前なんかしたの?」
「いや、別に……」
「まぁ、あんな怒るってことは妹関連だ。
あいつかなりのシスコンだからね〜
ど?図星っしょ?」
俺の表情をうかがうようにテレビから目を離しソファの背もたれに目いっぱいもたれながらこっちを見る。
翔真のハーフアップで結ばれた髪が揺れている。
「だったら?」
「やっぱりな。何何なんかしたの?告白?それともキス?それ以上?」
ガバッと起き上がるとキッチンで夕飯の準備してた俺のとこに詰め寄ってくる。
「なんもしてねぇよ」
「ふーん。あれか、まだあの子の事引きずってる感じ?
それでイライラしてんの。」