ぽっちゃり幼なじみはオオカミくんでした。
「そんな中途半端な気持ちでいるといつか他の男に取られんぞ。」
さっきまでのふざけた態度とはうって変わって低く響く声でそう言い放った。
「んな事言われなくてもわかってる」
「ふーん……その男ってのが俺だったりして〜!そしたらお前どうする?」
「お前が亜実に手ぇ出してみろよ。ただじゃおかねぇから。」
「う〜響くんおっかない〜。
……ちょっとその本気で怒ってる響の顔見てみたかったりして」
俺には背を向けたままだからどんな顔してるのかわからねぇけど。
冗談なのか本当なのかよく分からない事ばかりいつもホイホイ口走ってる。
「俺の事からかってんのそれ。だとしたら面白くねぇから」
「からかってんの……ねぇ……まぁそう思うならそれで良いんじゃね?」
そう言うと鼻歌混じりにまたタバコに火をつける。