エンドレスおままごと。
閉園時間が近づいてきたため、最後に大きな観覧車に乗った。
高度が上がる。前後左右に都会の夜景が広がっていく。
向かい合わせに座ったまま、景色に夢中になっていると。
「よねこ。こっち」
暗さと明るさ半々の空間で、なおくんは手を差し出してきた。
「うん」と笑顔をこぼし、その手を握る。
すると、彼のすぐ隣に引っ張られた。
手はつないだまま。幻想的な東京の夜景を2人で眺めた。
この景色をキャンバスに閉じ込めるとしたら、どう表現しようかな。
久々にこの前、美術部マインドを炸裂させたためか、そんなことを考えていた。
「よねこ。何、考えてるの?」
優しく髪の毛に指を通されて、はっと我に返った。
「ん? きれいだなーって。夜景」
「そっか。あははっ」
「どうしたの?」
突然、笑いをこぼしたなおくん。
顔をのぞきこむと、肩を抱いてくれた。