エンドレスおままごと。
わたしたちの乗った観覧車はてっぺんに来たらしい。
足下に広がる果てしない光たちに圧倒された。
「すごいね」
「うん」
「特にあっちの高層ビル、近未来な感じでかっこいい」
西の方向にある、背の高い光たちを指さした。
その正体は、迫力のある高層ビル群。
暗い部分はあるものの、ところどころに光の帯が描かれていて、まわりとは違う雰囲気をまとっていた。
同じ方向を見たなおくんは、ぼそりとつぶやいた。
「あれ、日曜なのに遅くまで働いてる人たちの明かり」
ちらりと彼を見上げる。
視線は合わない。
彼には、わたしとは違うものが見えているらしい。
「そっか。遅くまで頑張ってるから、光ってるんだね」
観覧車はゆっくりと高度を下げていき、わたしたちを日常へと戻していった。