エンドレスおままごと。







泊まったのは、高そうなホテルの高そうな部屋。


抱きしめ合いながら、2人でふかふかのベッドになだれ込んだ。



すごく気持ちいいことをしているはずなのに、どうしても溺れきることができなかった。



高校時代のなおくん、一緒に暮らし始めてからのなおくん。そして、今、目の前にいるなおくん。


いろんな彼に交互に抱かれているようだった。



「よねこ」



眠りにつこうとする前。


大好きなはずの彼は泣きそうな声でわたしを呼んだ。



「……ん?」


「優しくできなくて、ごめん」



シーツがこすれる音を出し、わたしはなおくんの方を向いた。


彼はぼんやりと天井を眺めていた。



「よねこを幸せにしたい、いい旦那になりたい、もっと稼げるようになりたい、子どもがほしい、とか、俺にも理想があった」


「うん」


「でも、実際やってみると、両立させるのがこんなに難しいとは思ってなかった」


「え……」



これ以上、聞きたくない。直感でそう思った。



でも、なおくんは手の甲を目に当てていたから。


本音がこぼれ落ちるのだとしたら、覚悟を持って受け止めなきゃとも思った。


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