い ち る に 群 青




 海は空へ上り雲を作る。雲は結晶を作り雨を降らせる。雨は大地に染み込み森を潤し川になって海へ行く。全ては繋がり循環し、関わり合っている。

 まるでその道を辿るように真似るように、それぞれの町もまた繋がりを持っていた。





 —————しかし、事、しきたりに関しては違う。


 黙認し『愚かな』と口を揃え互いを敬遠する。厄介な物事には都合よく見て見ぬふり……人間の典型がそこにあった。


 特に森の町、森人(もりびと)は元来海とは相容れない姿勢をとっていたから。

 表面上では繕いつつお隣さん、根っこの部分では受け入れ難い異民として認識している。それは私達とは対極あるようで近しい慣わしによるものだった。


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