【完】強引御曹司に気に入られた件


至の奥さんの愛梨さんが会社に押しかけてから1週間、彼女の影をすっかり忘れていた。

その日は、課のみなさんは外回りでそのまま直帰になるので会社にいるのは私だけ。

私は定時に帰れず、一人倉庫で資料の整理に明け暮れていた。

そして、ひと段落したので帰ろうと思い、倉庫のドアを開けようとすると、鍵がかけられて開かない。


倉庫は外側から鍵をかけるタイプのドアで、中に入る時は必ずドアノブに中にいますと書かれたカードをぶら下げる決まりになっていた。


私はそのことを忘れていて、誰かが知らず知らずのうちに鍵を閉めてしまったみたい。


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