恋という名の青春を。
「あっ、そう言えば、」



「ん?」



校舎に戻ってる途中に日向さんが話しかける。



「和…は、友達?」




え。和?



…なんか…胸が…チクチク…するな…。




「和は友達だけど…」



「んーそうか…」




「なんで?」



日向さんは慌てる素振りをして、


「あのっ…別に、大したことじゃないんだけど…」



「…けど?」



「その…なんていうか、下駄箱で初めて会ったとき…和…んー、言葉でよく表せないな。…高橋君に対して、怒ってたような…?感じだった」




「あ…。それ、俺も、思った…」



日向さんって人をよく見てるな…。


でも、自分のことは無自覚そう…。


「んー。わかんないならいいや!」



ははっと笑う日向さん。


日向さんってよく笑う人だなぁ。


「直接和に聞いた方が手っ取り早いよね!」




「うん。そうだね」



「じゃあ、私2組だから」



あっもう着いちゃったんだ。


早いな…。


俺たちは違うクラス。


日向さんは2組で、俺は5組。



「うん…。じゃあ」



なんとなく名残惜しかったけど、俺は日向さんに手を振って笑った。



「…っ⁈」




何故だか日向さんはビックリしてだけど、すぐに笑顔で手を振り返してくれた。





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