◆中学生物語◆
…すると、チャイムが鳴っている間、トイレに行っていた桃子が、慌てて教室に駆け込んできた。



「みずき、みずき!!」



「…え?何?桃子」



「いいから来て!!」



…そういって桃子は、慌ただしくあたしの手を強く引っ張ってトイレの方へと誘導した。



あたしは何がおきたのか分からず、ただただ桃子に引っ張られるだけだった。



「いった……痛いよ、桃子。一体何が―」



「―しッ」



…するとそのトイレの先には、翔太と優歩が何やら話しているのが見えた。



「…もうちょっと近くまで行ってみよう」



そういうと、桃子は、またあたしを乱暴に引っ張った。



(もう……桃子ってなんでこんなに乱暴なんだッ)



そう思いつつも、あたしは黙って桃子の後について行った。

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