◆中学生物語◆
「…ウチはやだ。翔太と別れるなんて。ウチ、翔太の他に好きな人なんていないから」



「…嘘つけ。そうやってまだ、裕也に未練残してるクセに」



「…!!…ゆ、裕也に未練なんてないもん…」



(優歩が…まだ裕也に未練を…!?)



…あたしたちは、その衝撃的な会話を最後まで聞いていた。



「わかってるって。無理矢理裕也忘れようとして俺と付き合ってんだろ。見ればわかる」



「……なんで…」



「…ん?」



「なんでウチと別れたいの?」



「…だって、心ここにあらずの奴となんか、付き合いたくねーもん。黙ってあっちいってりゃいーんだよ」



…なんだか、その言葉遣いはいつもの翔太じゃないように感じた。
< 112 / 138 >

この作品をシェア

pagetop