◆中学生物語◆
「…す、好きな人って誰?南?花穂?」



優歩が、次々に思い当たる人物の名前を挙げていったが、どれも翔太の首を縦に振る者はいなかった。



…そして、優歩が十分挙げたところで、翔太は言った。



「…ワリィけど、言えない。これは、個人情報って奴だから」



それに、優歩の体勢が崩れる。



「……」



そして、そのまま黙り込んだ。



翔太もあたしたちも、その様子をじっと見つめた。
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