◆中学生物語◆
…そして一言言った。



「…もう、好きにすればいいでしょ」



そういって優歩は、翔太に背を向けて走り去っていった。



あたしたちも、勢いでそれに紛れてトイレから出てきた振りをしてその場から逃げた。



あたしと桃子は、それから一切会話もせず教室へ戻った。



…翔太は、朝学活が終わってから来た。



…正直言って、昨日のことと、さっきのことがあって翔太には少し近寄り難かった。



―そして4時間目の授業のとき。



右隣から何やら紙切れが回ってきた。



そこには……



『昼休み、屋上に来て』



…そう、記されていた。



これは間違いなく、垢抜けた翔太の字だ。
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