◆中学生物語◆
…そして、翔太は、あたしが覚えてもいない話をした。



「…なぁ、みずき」



「…え?」



「俺とおまえが…小6んとき話したの、覚えってか?」



「え……小6…?あたしと翔太…そんとき話したっけ??」



…それは、つい去年の話なのに、あたしは何故か全く覚えていなかった。



はぁっと大きなため息をついてから、翔太はその当時のことを話してくれた。



あたしが、野球をやめそうになった翔太に言ったこと。



天然な部分が出てたところ。そして……



あたしのおかげで、翔太が野球を続けられたこと。



それはどれも、記憶に新しいことだったけど、なんだか、あたしも懐かしいような気がした。
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