◆中学生物語◆
「…うん。一応、みずきもその人知ってるけど」



「え!?誰ッ、誰!?」



あたしがそう、取り乱しながら聞こうとすると、桃子は1回ふふっと笑ってから口を開いた。



「教えてあげるけど……驚かないでよ」



「うんッ、うんッ!!」



あたしが幼い子供のように、桃子に何度も頷かせて見せると、桃子はもう1回笑ってから言った。



「……あ~~ホント嫌だな、いうの…。…あのね、ウチが好きだった人……竹本だから」



「…え…えぇ!?あの竹本!!?あの去年の3年の先輩と付き合って、今は年下の1年と付き合ってる!?」



「…うん」



そう言って桃子は、ちょっと照れくさそうに言った。
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