◆中学生物語◆
「…今はもうなんとも思ってないけど……前はいつもクラスの盛り上げ役って感じで…好きだったな。ほら、顔も悪くないしさッ」



「…そりゃそーだけど……桃子、趣味悪すぎ」



「えッ、え~!!なんでよッ!!」



あたしの無責任な返答に、桃子がキレる。



「好きだったんだなら…相談乗ってくれたらよかったのに。無理だったと思うけど」



「うん……そーなんだけどさ…言ったらバカにされるって思って、なかなか言えなくてッ」



「…そっかぁ……竹本がねぇ~…うん。この際、あのバカな竹本はおいておいて!!他の人探そーよッ!!ね♪」



あたしがそう言って見せると、桃子の表情がさっきと打って変わって穏やかな表情になった。



「うん……そーだよね、ありがと、みずき」



桃子はそう一言言うと、ふと自分の家の前に来たことに気づき、すっとあたしの方を振り返った。
< 133 / 138 >

この作品をシェア

pagetop