◆中学生物語◆
「…お、終わるの早いね」



「おまえが遅いの!!」



そう言って怒鳴ると、翔太はふいにあたしの手をぎゅっと掴んで握った。



…とても力強く。



「どッ…どーしたの、急に……」



「ん??…なんとなく」



それからあたしたちは、黙ってまま…そして手を力強く握り締め合いながら、この寒くなってきた空気の中を歩く。



「…翔太」



「あ?」



「再来年……一緒の高校行こうね」



「当たり前だろ」



翔太はそう言いながらも、ちょっと自信がなさそうだった。

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