◆中学生物語◆
「おい、おまえら来てたなら早く言えよ~」



「おぉ、悪ィ。でもまだ裕也来てねぇんだよ」



「…あ?裕也?んなんすぐ来るって。それより早く中入れよ」



翔太は、いかにも裕也がどうでもよさそうにみんなを家の中に誘導させた。



…すると、翔太の動きが突然ピタッと止まった。



「…ん?おい、優歩。なんでこいつが来てんの?」



そう言って、翔太は紛れもなくウチのことを指さした。



ウチは、固まってしまった。



「…あ~、ウチと南で誘った。ね、南」



「うん。あたしと同じテニス部仲間だし、大勢の方が楽しいじゃん?いいでしょ?翔太」



優歩が流すように南ちゃんへ振り、南ちゃんが優しい笑顔で答えた。



それに対し翔太は、もう少し反発するかと思ったけど、性格が性格なだけに、



「ふぅ~ん、そう」



で、終わった。
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