◆中学生物語◆
「ほいほーい」



翔太が、軽々しく部屋から出て行った。



「…裕也め…やっと来たな」



と、竹本は軽く舌打ちさせながら言った。



「…なんでタケ、そんなに裕也のこと気にくわねぇの?」



男子の1人が聞く。



…そういえば、さっきからそんな感じだったっけ。何でだろう…。



あたしも密かに気になった。



「当たり前ぇだろー。あいつ、頭もよければ顔もいいしよォ。なんかムカつく」



竹本は、思いのうちを明かした。



「…そーかァ?別に裕也、完璧な男だけど、ムカつくほどの人材じゃねぇだろ」



そんな1人の男子の言葉に、他の男子も頷く。



「バカヤロー、俺ばっか悪役にすんなっての」



そう言って、竹本はゲーム機の電源を入れた。
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