◆中学生物語◆
女子は女子で勝手に話していたけど、ウチはウチで勝手に男子の話を盗み聞きしていた。



(そうか…竹本って、裕也のこと嫌い(?)なのか…)



ウチは、何気ない2人の関係に違和感を覚えた。



そして、しばらくしてようやく翔太たちが来た。



「お待たー。やっと裕也が来たぞー」



「よッ、みんな待たせて悪ィな。母ちゃんにお遣い頼まれちまってさぁ。んで、遅れた」



裕也は、そう理由を話し、ドカッと床に座った。



「裕也って結構、親にパシられてんだな」



「だーっけ。マジで親ムカつくし」



ウチは、裕也をじっと見ていられなかった。



…なんか、見たら自分の存在バレそうで怖かった。



だって、ウチなんかがいるってバレたら、嫌な顔されんのも嫌だし…。



あたしは、裕也にバレないように密かに身を隠した。
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