◆中学生物語◆
「マジかよ、優歩、家はあんなな癖に実はすげぇ金持ちなんだな」



「別にそういうわけじゃないって。おばあちゃんがお小遣いいっぱいくれるからこうなっちゃうの」



優歩は、竹本に少々キレ気味に言う。



「優歩やべぇよ。この間俺とデパート行ったとき6、7000円くらい持ってきてたし!!」



と、翔太が竹本に話す。



…てか、本当にマジヤバイね。どんだけ金もらってんだろ、おばあちゃんに。



―すると、ふいにウチは南ちゃんにとんとんと肩を叩かれた。



「花穂が女子のみんなでプリクラ撮ろうだって。撮ろう?」



“花穂(かほ)”とは、優歩と同じ陸上部の子のことだ。



たまにグループ内で問題起こすって噂だけど、ウチらの前じゃ、そこまでのワルではないらしい。



「う、うん」



ウチは、少し戸惑い気味で一緒に着いていくことにした。



< 36 / 138 >

この作品をシェア

pagetop