◆中学生物語◆
「どうなの。素直に何か吐き出したら?」



「…もし、本当にそうだとしたら?」



「…は?」



花穂は、聞こえない素振りを見せた。



「……もし、本当にみずきが翔太のことを狙っているとしたら、花穂たちはどうするの?」



……ウチは花穂に、その質問から逃れられるために、その質問をわざと考えさせるようなわけもわからない質問で返した。



「どうするって……そんなの、ウチは知らない。これだって、全部優歩がやれって言ったことだし。でも、何で優歩がこんなことするのかは、わかるけどね」



…花穂は、ウチに言われたままに悠長に質問に答えてくれた。ま、計算通りってワケじゃないけど。



…やっぱり優歩が仕組んだことだったんだ。



ウチは今、何かを掴みかけた気がした。


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