◆中学生物語◆
5時間目も終わり、みんなが部活動時間に差し掛かった頃。
美術部のあたしは、シーンとした物静かな空気の中、2年の不良っぽい3人組が話しているのをなんとなく耳にしていた。
「…ねぇ、1年のテニス部の南ちゃんているじゃん?あの子かわいーよね。性格もいいし、誰にでも好かれてそうじゃん?憎めないタイプっつーかさぁ」
「あ~そうそう。あたしテニス部に遊びに行ったとき、たまたま南ちゃんと会って話したんだけど、超いい子だった。物分りいいし」
「いいよね~…つか、今度南ちゃん遊びに誘っちゃえば?」
「いいね、いいね!!こっそり誘っちゃおーよ」
…それを耳にしていると、南ちゃんがこれから大変な目に遭うことが予想できた。
…けど、南ちゃんてホント誰にでも好印象だな。男子にはモテるし、先輩には気に入られるし…。
なんか、羨ましいかも。誰にでも好かれるって。
(あたしも南ちゃんみたいな子だったら翔太にだって…)
そんな到底叶いもしない夢を、あたしは密かに見ていた。
美術部のあたしは、シーンとした物静かな空気の中、2年の不良っぽい3人組が話しているのをなんとなく耳にしていた。
「…ねぇ、1年のテニス部の南ちゃんているじゃん?あの子かわいーよね。性格もいいし、誰にでも好かれてそうじゃん?憎めないタイプっつーかさぁ」
「あ~そうそう。あたしテニス部に遊びに行ったとき、たまたま南ちゃんと会って話したんだけど、超いい子だった。物分りいいし」
「いいよね~…つか、今度南ちゃん遊びに誘っちゃえば?」
「いいね、いいね!!こっそり誘っちゃおーよ」
…それを耳にしていると、南ちゃんがこれから大変な目に遭うことが予想できた。
…けど、南ちゃんてホント誰にでも好印象だな。男子にはモテるし、先輩には気に入られるし…。
なんか、羨ましいかも。誰にでも好かれるって。
(あたしも南ちゃんみたいな子だったら翔太にだって…)
そんな到底叶いもしない夢を、あたしは密かに見ていた。