◆中学生物語◆
「…ウチがテンション低かった理由…教えてあげよっか」



「…え…?」



あたしは、その場に立ち止まった。



「…ウチさ、今までみずきに話したことなかったけど…お父さん、2年前、交通事故に遭って死んだの」



「…え!?ウ…ウソ…!?」



それは衝撃の過去だった。



「つい2年前だから、まだちょっと悲しみが残ってて、たまに思い出したりすると泣いちゃったり落ち込んだり…そういうときがあるの。最近忘れかけてたけど…翔太のお父さんが亡くなった話聞いて、思い出しちゃったんだ」



「そ…それであんなにテンション低かったんだ…」



…初めて知った、桃子のお父さんのこと。



…でも、桃子が、今こうして話してくれてよかった。嬉しかった。



なんだか、それだけで何もかもが晴れた気分になった。

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