◆中学生物語◆
「うん。ほら…まだ、翔太を奪えるチャンスがあるってこと!!…なんか、優歩も翔太と別れようとしてるみたいだしぃ」



「…そ、そんな…だからっていって…あたしが翔太なんかと付き合えるわけないじゃん…」



軽々しく言う桃子に、あたしがそう呟くと、桃子が少し首を振ってから言った。



「それがさぁ…聞いちゃったんだ、まだ優歩と翔太が付き合う前…2ヶ月前くらいかな。聞いたの、ウチ」



「な…何を…?」



未だ自分の頬っぺたをいじるあたしは、桃子の言葉にちょっとばかり怯える。



「実はね……翔太が、みずきを好きなんじゃないかって話」



「へ…へッ!?」



とんでもない情報に、あたしは思わず変な声を出してしまった。



そんなあたしに、桃子はまたもや苦笑してから、話を続けた。
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