◆中学生物語◆
「―じゃあ…あたしそろそろ帰るね。暗くなってきたし」



「……うん」



…気がつけば、あたしたちは1時間半程ずっと話していたらしい。桃子が自分んちの時計を見て言っていた。



辺りも、もう冬の時期が近いからか、夏休みのときより陽が落ちるのが早くなった気がする。



夕焼けに照らされて、伸びていた影もやがて消えかかりだした。



あたしたちは最後、何度も頷き合って別れた。



あたしは、そのまま歩き出してから1度も後ろを振り返ることはなかった。
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