◆中学生物語◆
その自分で書いた手紙の内容は、くだらないことやどーでもいいことまで書いてあって、…ホントにこれでいいんだか悪いんだかわからない。



やがて、時計が1時半を過ぎると、ようやく手紙が完成した。



「や…った……書けたぁ!!」



あたしは、大声を出した瞬間、身を蹲らせた。



大声を出して、もうとっくに寝ている家族にバレやしないか、心配になった。



…家族が起き出してこないことを確認すると、あたしはそっと手紙を折りたたんで鞄の中に突っ込んだ。



(明日……翔太がもし来たら渡さなきゃ)



あたしは、手紙を書くだけでも胸がいっぱいになってしまった。



―だって、男子に手紙を書くなんて人生初挑戦だし…。しかも相手が好きな異性だもん。



隣の席っていうだけでも胸がいっぱいなのに…。



…こう見えて、あたしって意外と純情。
< 73 / 138 >

この作品をシェア

pagetop