◆中学生物語◆
「…え?う、ううん。ちょっと気分転換に……翔太は?」



「あ?俺?……俺も気分転換。久しぶりの登校で、他の奴らと顔あわせたくなかったんでな」



「はは…そ、そーだよねぇ…」



(…ダッ…ダメだッ!!会話が続かん!!)



あたしは、自分の不甲斐無さに、ちょっと落ち込んだ。



―好きな人とも会話が続かないなんて…やっぱあたしはダメだ。



しかも、翔太の前じゃあがっちゃって…もう、なんでこうなんの…。



…あたしが、そっと顔を俯かせていると、翔太がどんどんこっちへ寄ってきた。



(…え、えッ!?)



あたしは、あまりの急接近に声も出ない。


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