◆中学生物語◆
「ここにちゃんと、『翔太へ』って書いてあんじゃん?」



(…カァァァ…)



あたしは我ながら、自分で書いた『翔太へ』という文字に、どこか違和感を覚えた。



そしてあたしは、また翔太から奪い取ろうと必死こいて追い掛け回した。



「…ちげぇの?」



翔太は、追い掛け回され中にあたしに聞いてくる。



あたしはもう、そこで何もかも吹っ切れたように翔太に言い放った。



「…だよ」



「…は?」



聞こえなかったのか、翔太はあたしの言葉にもう1度耳を傾ける。



「そーだよ!!それはあたしが翔太に書いた手紙ですぅ!!早く家に持って帰って捨てちゃってよ、もう!!」



…もうこうなりゃ、ヤケクソだ。
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