◆中学生物語◆
「…ねぇ」



「…ん?」



「野球やろう」



「……」



「そのやめちゃった人の分も、翔太が頑張ればいいじゃん」



「…俺が?」



「そう。そうすればきっとその人も、頑張ってる翔太見て嬉しいと思うよ」



「頑張る……アイツの分も……」



みずきは、俺は誰がやめたのかも教えていないのに、何もかもわかったかのように言った。



“俺だって野球の試合出たかった!!”



“やっぱり野球が1番”



…するとふと、裕也が言っていた言葉が頭の中で蘇った。



好きだった野球をめいっぱい頑張ってきた裕也の分も…俺たちが頑張んなきゃいけない。



…そんな想いが、一気に募りに募った。

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