◆中学生物語◆
「…サンキュ、みずき」



「…え?」



「俺、また野球やる。そんで中学に入ったら、野球部入る」



「…そっか!!よかった!!」



俺がそう言うと、みずきは満面の笑みを浮かべた。



…その笑顔は、とてつもなく輝いていた。



そして俺は、みずきにもう一言言った。



「……でも」



「ん?」



みずきが俺の顔を覗きこむ。



「野球部入っても、坊主にしねぇから」



「なんで?」



「…やめた奴の分の、想いもこの髪の毛1本1本にのせてる証に!!」
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