◆中学生物語◆
それから、席替えで席が隣になって、優歩が『やった!!翔太と隣だぁ!!』ってめっちゃ騒いでた。



…少なくとも、俺はそんなに嬉しくなかった。



…けど、1つだけ嬉しかったことがあった。



それは、中学に入ってからロクに喋ったことのなかったみずきが隣だったこと。



みずきが隣にいるっていう、不思議な感覚に包まれた俺は、優歩よりもそっちが気になって仕方がなかった。



給食中も、恥ずくて顔とか全然見れなかった。…アイコンタクトがとれなかった。



そんなみずきは、いつでも自然体のように見えた。どうせ、俺のことなんか全く気にも留めてねぇんだろーなって思った。



―一方、優歩はあの日から俺にべったり。



休み時間中も、ずっと優歩のそばにいさせられていた。
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