◆中学生物語◆
「…はァ!?やだ、絶対やだ!!」



「なんで!?いいから早く書いてよッ!!」



「何でそんなの俺が……」



…俺がそういうと、優歩は説得力の欠片もない理由を言った。



「そりゃあ、ウチの彼氏なんだから当たり前でしょ!!…裕也は書いてくれたけど?」



「おまえ…裕也にまでやらせてたのか…」



俺がどんなに反発しても、優歩が駄々を捏ねるため、仕方なく心無い感じで書いた。



「…何これ……『ゆーほアイシテル』って…なんで漢字で書かないの?そんでなんでカタカナ?」



「…いーだろ。書くのめんどくせぇもん」



俺は、いかにもやる気のないところを優歩に見せた。



…けど、意外と優歩は別に怒る様子もなかった。



「…ま、別にいいけど。書いてくれたし。とりあえずこれで許す」



そう言って、優歩はまた落書きをし始めたのだった。
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