◆中学生物語◆
―そしてつい、みんなと遊んだ、今から3日前。俺の親父が死んだ。



…35歳だった。



親父は、まだまだ若いクセして超頑固で、昔から親父は好きじゃなかった。



…けど、俺に1番最初に野球のバットを握らせてくれたのは親父だった。



俺がまだすっげぇ幼いときから、親父は超スパルタな修行を俺にさせてきた。



…ま、おかげで変に体力ついたけど。



…なんか嫌なことがあれば、すぐキレるし。冗談とか嫌ぇだし。あれでホント35歳かよって思ってた。



…ああ見えて中身は、もう50代の年老いたオッサンだとも思ってた。



…けど、親父が死ぬ間際。俺に初めてこう言ったんだ。



『俺…まだまだ翔太に教えたいことが山ほどあった…。翔太と一緒にキャッチボールがしたかった…。でも…それももう叶わねぇ夢になっちまったな…。ごめんな、そんでありがとよ…。これから母さんのこと、よろしく頼むぜ……』



…そう言って俺の大嫌いだった親父は、天国に旅立っていった。



…俺は、初めて親父に言われたたくさんの言葉に、涙した。


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