◆中学生物語◆
―そして昨日。俺は、学校に朝1番で来た。



完全登校の時間よりも30分早く来たから、20分ぐらいはずっとこの教室に1人かと思ってた。



…そんで、ずっと外の風景を眺めてた。いろんなことを思い出しながら。



…そういえば、タケが南のこと好きだって言ってた時期もあったなって、ちょっと苦笑した。…まぁ、結局タケ南にフラれて今度は3年の先輩に乗り換えたけど。



と、いろんな思い出が俺の頭の中を張り巡らした。



そんで、裕也と優歩が付き合ったと思えば別れて、俺と優歩が付き合って…。



(…早くこの落書き消してぇな)



…なんて思いながら、自分の机に書いてある俺が書いた『ゆーほアイシテル』という文字を少し爪で削った。



…すると俺がここに来て、15分は経っただろうか。



…誰かが教室に入ってきた。

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