トライアングル・キャスティング 嘘つきは溺愛の始まり
どこを探したら良いのか、誰に聞いて良いかも分からずに、仕方なく自宅に戻る。


同じ家で生活していたって、居場所を隠されて携帯が繋がらなくなっただけで、急に何の繋がりも無くなったみたいに兄の所在が分からなくなった。


家に戻れば、もしかして兄が戻っているんじゃないかという淡い期待もあったけれど、もちろんそんな筈もなく、空っぽの家に着いただけだ。


そして、図ったようなタイミングでインターホンが鳴り、差出人にただ “拓真” と書かれただけの小さな小包と手紙が届いた。
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