トライアングル・キャスティング 嘘つきは溺愛の始まり
玄関先で篤さんにお茶を出すのも、いつのまにか習慣になっていた。
「これは月桃茶って言うそうなんですけど、兄が前に買ってきてくれたんです。体に良いみたいですよ。」
「あいつ、女子力が無駄に高い奴だなぁ。
……でもこれ、夏っぽくてうまいね。」
篤さんは頑なに玄関で靴も脱がずに、少し話をして帰っていく。
「俺に何かできることある?
俺に甘えていいとは言ったものの、たまに様子見に来るくらいしかしてないからさ。」
「いえ、すごく忙しいのに来てもらってるだけて十分です。ご心配おかけしてすみません。」
「俺に心配されたくないなら、もうちょっと食え。
それ以上痩せると胸とか無くなるぞ。元々ちっちゃいんだから。」
「そっかぁ、困ったな……。」
胸を触ってみると、確かにちょっと減ってるかもしれない。
「いや、セクハラ発言には怒れよ……。ぼんやりしすぎでしょ。
たまには外の空気でも吸いに行く?俺にできることっていったらそれくらいしか。」
「いえ、今はいいです。
……あの、もし篤さんに時間があればで良いんですけど、送り盆の時に家に来てくれたら嬉しいです。
うちは両親が無くなってから毎年送り火を焚いてるんですけど、一人だと淋しいから。」
「オッケー。それくらいのことなら、遠慮せずにすぐ言ってよ」
「これは月桃茶って言うそうなんですけど、兄が前に買ってきてくれたんです。体に良いみたいですよ。」
「あいつ、女子力が無駄に高い奴だなぁ。
……でもこれ、夏っぽくてうまいね。」
篤さんは頑なに玄関で靴も脱がずに、少し話をして帰っていく。
「俺に何かできることある?
俺に甘えていいとは言ったものの、たまに様子見に来るくらいしかしてないからさ。」
「いえ、すごく忙しいのに来てもらってるだけて十分です。ご心配おかけしてすみません。」
「俺に心配されたくないなら、もうちょっと食え。
それ以上痩せると胸とか無くなるぞ。元々ちっちゃいんだから。」
「そっかぁ、困ったな……。」
胸を触ってみると、確かにちょっと減ってるかもしれない。
「いや、セクハラ発言には怒れよ……。ぼんやりしすぎでしょ。
たまには外の空気でも吸いに行く?俺にできることっていったらそれくらいしか。」
「いえ、今はいいです。
……あの、もし篤さんに時間があればで良いんですけど、送り盆の時に家に来てくれたら嬉しいです。
うちは両親が無くなってから毎年送り火を焚いてるんですけど、一人だと淋しいから。」
「オッケー。それくらいのことなら、遠慮せずにすぐ言ってよ」