トライアングル・キャスティング 嘘つきは溺愛の始まり
「到着……と言っても、ここはどこですか?」
「やんばるって言われてる地域で、あの建物はペンション件、レストランだね。けっこう人気なんだって。
ここから見えるかなー」
篤さんは、遠くを見るように額に手をかざしている。
こんなに遠くまで来たのに、辺りには何もないあのひっそりとしたペンションが目的地?
「何を見てるんですか……?」
「お。見えた!
いる、ほんとにいた!」
篤さんの視線を追ってもオープンテラスが見えるだけ。
「何がいるんですか?」
「……稀少生物? 見た方が早いよ。」
「変わった生き物とかよく知らないので、私が見てもわかるかどうか……」
篤さんが私の頭の向きを変えてあっち、と指差した。
白いテラス席と、咲き乱れる南国の花。夕方に近い時間のせいかお客さんの姿はまばらだ。素敵なレストランだけれど、変わったものは見当たらない。
暇な時間帯のせいか、店員さんがのんびりと花に水をあげている。背の高い、折り目正しいシャツとエプロンを身につけて、よく日に焼けた、精悍な顔立ちの……
「お兄ちゃん!?」
「やんばるって言われてる地域で、あの建物はペンション件、レストランだね。けっこう人気なんだって。
ここから見えるかなー」
篤さんは、遠くを見るように額に手をかざしている。
こんなに遠くまで来たのに、辺りには何もないあのひっそりとしたペンションが目的地?
「何を見てるんですか……?」
「お。見えた!
いる、ほんとにいた!」
篤さんの視線を追ってもオープンテラスが見えるだけ。
「何がいるんですか?」
「……稀少生物? 見た方が早いよ。」
「変わった生き物とかよく知らないので、私が見てもわかるかどうか……」
篤さんが私の頭の向きを変えてあっち、と指差した。
白いテラス席と、咲き乱れる南国の花。夕方に近い時間のせいかお客さんの姿はまばらだ。素敵なレストランだけれど、変わったものは見当たらない。
暇な時間帯のせいか、店員さんがのんびりと花に水をあげている。背の高い、折り目正しいシャツとエプロンを身につけて、よく日に焼けた、精悍な顔立ちの……
「お兄ちゃん!?」