トライアングル・キャスティング 嘘つきは溺愛の始まり
しかし、拓真をからかうために彼の楽屋に入った瞬間、篤は予想外の光景に混乱する事態となる。
拓真は一心不乱に何かを書いていて、辺りには筆やら墨汁、良くわからない書物が乱雑に積まれている。
「何……やってんの?」
「見ての通り、写経だ。」
「なんで写経!?」
「気持ちを落ち着ける方法を、他に知らないんだ。演技中はむしろ集中して良いんだが、時間があくと雑念にまみれて辛い。」
「雑念?
…………昨晩の瑞希ちゃんを思い出して、にやついてしょうがないとか?」
バタッ!
墨汁が倒れた。分かりやすい奴め。
拓真は一心不乱に何かを書いていて、辺りには筆やら墨汁、良くわからない書物が乱雑に積まれている。
「何……やってんの?」
「見ての通り、写経だ。」
「なんで写経!?」
「気持ちを落ち着ける方法を、他に知らないんだ。演技中はむしろ集中して良いんだが、時間があくと雑念にまみれて辛い。」
「雑念?
…………昨晩の瑞希ちゃんを思い出して、にやついてしょうがないとか?」
バタッ!
墨汁が倒れた。分かりやすい奴め。