トライアングル・キャスティング 嘘つきは溺愛の始まり
「今でも覚えてるんだけど、10歳の夏に、躾と言われて物置に閉じ込められてさ。



熱さと乾きで意識が朦朧として、いっそ早く楽になりたいって思った頃、いきなり光が差し込んだんだ。



柔らかくて良い匂いの人に抱き上げられて、冷たい水を貰って。

ここが天国なのかって真剣に思ったんだが、それが瑞希の母親だった。実の母親の遠い姻戚で、虐待を聞き付けて調べてくれたらしい。
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