トライアングル・キャスティング 嘘つきは溺愛の始まり
「そんな理由で諦めるのか?
自分の気持ちは無かったことにして?
ずっと、嘘ついて?」
篤が珍しく本気で怒っている。俺の為にそこまで怒ってくれるなんて、
「お前、いい奴だな」
「そんなんじゃねえよ。俺は単純に腹が立ってんだよ。拓真の、その全部諦めてるみたいな態度が。
亡くなった親御さんのためや瑞希ちゃんのためなら何でもするくせに、自分の為には何もしないわけ?」
「全部自分の為にしてるんだよ。
俺にとっては家族が初めて手に入れた宝物で、他には何も無いんだ。
義父さんと義母さんは亡くなってしまったけど、それだから余計に、二人が守ってくれたものを壊したくない。
だから、俺にとってはこの家を守ることが一番大事なことなんだ。」
自分の気持ちは無かったことにして?
ずっと、嘘ついて?」
篤が珍しく本気で怒っている。俺の為にそこまで怒ってくれるなんて、
「お前、いい奴だな」
「そんなんじゃねえよ。俺は単純に腹が立ってんだよ。拓真の、その全部諦めてるみたいな態度が。
亡くなった親御さんのためや瑞希ちゃんのためなら何でもするくせに、自分の為には何もしないわけ?」
「全部自分の為にしてるんだよ。
俺にとっては家族が初めて手に入れた宝物で、他には何も無いんだ。
義父さんと義母さんは亡くなってしまったけど、それだから余計に、二人が守ってくれたものを壊したくない。
だから、俺にとってはこの家を守ることが一番大事なことなんだ。」