トライアングル・キャスティング 嘘つきは溺愛の始まり
「あ、お兄ちゃん……
ごめん、起こしちゃった?」
瑞希が慌てた様子で手を引こうとするので、つい掴まえたままにしておきたくなる。
「ん、お陰でいい気分で目が覚めた。
頭撫でなれるのって気持ちいいな。」
すると瑞希が、またゆっくりと髪を撫でる。
「なんだかお兄ちゃん、疲れてない?
殆ど家にも帰って来てないし。」
「大丈夫。少しスケジュールが立て込んでるだけ。
そうして貰ってるとまた寝そー……」
「顔色良くないよ? もう少し寝てなよ。」
「ありがとう。でも、もう起きないと。」
後ろ髪を引かれる気分だが、いつまでもこうしてはいられない。
「それにしてもお兄ちゃん、凄い荷物多くない?」
瑞希の言葉で、幸せな時間に黒い染みのような不安が広がる。
「何でもないよ。打ち合わせの資料とかいっぱいでさ。」
今の言い方は不自然たったか。瑞希が小さく首を傾げる。
瑞希の視界から隠したくて、鞄を寄せる。この中身は瑞希に見せたくはない。
ごめん、起こしちゃった?」
瑞希が慌てた様子で手を引こうとするので、つい掴まえたままにしておきたくなる。
「ん、お陰でいい気分で目が覚めた。
頭撫でなれるのって気持ちいいな。」
すると瑞希が、またゆっくりと髪を撫でる。
「なんだかお兄ちゃん、疲れてない?
殆ど家にも帰って来てないし。」
「大丈夫。少しスケジュールが立て込んでるだけ。
そうして貰ってるとまた寝そー……」
「顔色良くないよ? もう少し寝てなよ。」
「ありがとう。でも、もう起きないと。」
後ろ髪を引かれる気分だが、いつまでもこうしてはいられない。
「それにしてもお兄ちゃん、凄い荷物多くない?」
瑞希の言葉で、幸せな時間に黒い染みのような不安が広がる。
「何でもないよ。打ち合わせの資料とかいっぱいでさ。」
今の言い方は不自然たったか。瑞希が小さく首を傾げる。
瑞希の視界から隠したくて、鞄を寄せる。この中身は瑞希に見せたくはない。