絶対、好きになれない。
そう、それはーーーー

「おはよ、百合。ほんとこんなダッサイ格好、飽きずに続けてるなあ?」

後ろからコソッと
周りに聞こえないように話しかけてきたのは
幼稚園からの幼馴染の、大知(たいち)だった。

『おはよ、たいちゃん。』

「だよね、本当ならバラしたいくらいなのに!」

と、大知の話に乗っかる才加。

そう、この長いスカートに
化粧目せずに、分厚い眼鏡をかけて
きっちり上まで止めたボタンにネクタイ。

すべて、わたしの「本当の姿」ではない。
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