絶対、好きになれない。
「まあ、苦労を知ってるから俺はわりと賛成なんだけどな。百合が辛い思いしなくて済むし。」

小さいころからわたしを知ってる大知は、
事情もよく理解してくれているため
高校入学前に
「変身」するから黙っててほしい、と
ふたりに告げた時は
快く引き受けてくれて、応援してくれた。

小学、中学生のときは
大知にたくさん助けてもらったからなあ。

「けどさ、同じ中学のやつとかもいるんじゃないの?名前聞いたらさすがにバレるだろ。」

それは確かにと思ったけど
わたしのクラス、
才加のクラス、それから大知のクラスには
同じ中学の子がいないんだよね。

「存在すら薄いから、名前さえあがってこないし、居たとしても気づかれないかあ。」

そう、その通りなんです。
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