絶対、好きになれない。
話は途切れる。

「せっかくだからみんなで行こうよ!」

瀬山くんは花火が上がるメイン会場に
向かって、ずんずん歩き始めた。
人混みの中をゆっくりとすり抜けていく。

「獅童先輩に会えないかなー!獅童先輩どこかなー?いないかな?いるかなあ?」

「え、安達ちゃんは獅童先輩なの?あのひと、すっげえ長く付き合ってるひといないっけ。」

「別れたんです!!!だからいまはフリーのはず!だから燃えておりますの!」

瀬山くんと愛花ちゃんってなんだか
気が合いそう。

「高峰が好きなひといないっていうなら、まだ俺にもチャンスあるってことだよね?」

叶くんがわたしの耳元でボソリと言った。

『え、あ、えと。』

「はぐれないように手、繋いでおこう。」

口角がぐいっとあがってる叶くん。
なんだか嬉しそう。
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