絶対、好きになれない。

【 すこしずつ、前進。】

東雲先輩のおかげで、
なんとなく前向きになれたわたし。

だって!
ひとりでファミレスで待ち合わせとかしたし、
ちゃんと喋れたし、
まさかの過去まで赤裸々に告白できたし、
そして、バイクまで一緒に乗っちゃった。

あ、友達にだってなれた。

『すっごい進歩じゃない?』

帰宅してから晩御飯を済ませて、
わたしは自室で早速才加に報告していた。

「えっ、急展開すぎるっ!」

羨ましいっ、と小声で付け足したのは
はっきり聞き取れた。

「なんでだろうね?東雲先輩って女癖悪くて有名だし。あんま女の子に関していい噂聞かないんだけどな。」

『えっ、そうなの?』

「そうだよー!だから一緒に付いてくって何度も言ったじゃん。まあ、結果的には行かなくてよかったみたいだし、良かったけどさっ。心配はしてたんだよお?」

本人もかなりモテてる風、というか
特定な女の子と付き合ってる感じには
確かに言ってなかったもんな。

でも。
あんなに優しいひとが女癖悪いなんて
なんか、ちょっとわからない。
そういうものなのかな?

優しくて顔もいいからモテる、
女の子と遊んじゃう=女癖が悪いってこと?

んー、よくわかんない.....
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