絶対、好きになれない。
平凡な毎日が私は大好きだ。

いつも学校に行く前の
食卓では、
不思議そうな顔で家族がわたしを眺める。

「あのね、百合ちゃん....」

お母さんが心配そうに
わたしの顔色を伺いながら尋ねる。
聞きたいことはわかってる。

「百合ちゃんは、なんで....」

『あ、こんな時間だ。お弁当ありがとう!』

にっこりと微笑むと
テーブルに置いてあった伊達眼鏡を取って
目元に沿える。

『いってきます。』

不安げにわたしを眺める母たちを無視して
わたしは登校する。

これが、わたしの「普通」なのだ。
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