絶対、好きになれない。
『出来ないでしょ。あの状況で....』

「みーんな、大知くんが彼氏か、年上の高校生に彼氏がいるとか噂してたからね。高校のひとたちは、地味子に彼氏居たとか思いもしないだろうけどっ。」

『知らなかった、そんな噂。』

だから大知にも彼女できなかったのかな。
申し訳なさすぎる。

『たいちゃんにも才加にも、ほんと迷惑かけっぱなしだよね、わたし。』

ごめんね、と声のトーンが落ちると
賑やかな才加がいつも以上に騒がしくなる。

「あたしも、大知くんも、百合のことだいだいだいだいだーーーいすきだから、大丈夫っ!」

それより、と続ける才加。

「東雲先輩と、仲良くなれてよかったね!」

『うんっ。』

少しずつ克服していこう。
人間嫌いも、偽らなくてもならない生活も。
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