絶対、好きになれない。
東雲先輩とは
連絡先を交換してやり取りをしつつ、
ちかくのカフェやファミレスで
変身してない百合=普段のわたしで、
時々会うことにしている。

「学校であのときの百合ちゃんに声掛けたら、百合ちゃんが困るもんねー。でもさ、そのうち、今のまんまの百合ちゃんで登校できないのかな?」

いつの間にか
彼はわたしのことを百合ちゃんと呼ぶ。

『無理ですよ。怖すぎます。』

蘇る悪い記憶。

「思ったんだけどさ!かなり突然かもしんないけど、彼氏作ったらよくない?」

『えっ!』

「いや普通に考えてさ、彼氏が居たら彼に守ってもらえればいいしさ、他の男も寄ってこないんじゃない?」

それはーーー確かに一理あるかも。

『彼氏とか出来る気配もないですけど。』

大体男性恐怖症みたいなのに。
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