絶対、好きになれない。
「百合、おはよ。」

ドアを開けると親友の才加(さやか)が
満面の笑みで手を振ってきた。

『おはよ。お待たせ。』

彼女とは中学生からの付き合いだが、
無事同じ高校に合格し、
昔と変わらず一緒に通学している。

最寄りの駅に向かい、
二駅乗り継げば、高校に数分で到着する。

「それにしても、変な感じ。」

入学して1週間と1日。
そんなことを言いながら才加が
わたしの顔をまじまじと見つめる。

『結構気に入ってるんだけどなー!』
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